完璧を追求する男 経営者ゲルハルト・シュタイデルは、印刷機から出てくる一枚一枚の写真や原稿をチェックし"本"作りに情熱を注ぐ。今や有名写真家が作品を出版する為に何年も待ち、扱うのはノーベル賞作家の新作からシャネルのカタログまでと幅広く、世界中にコレクターがいるシュタイデル社の"本"。自らアーティスト達と綿密な打合せを繰り返し、収録作品、使用する紙、インクの選定まで徹底的にこだわり"本"自体を作品へと昇華させていく。彼の妥協なき本作りの姿勢は、効率重視の出版業界においてユニークなビジネスモデルとしても注目されている。"本"と"芸術"、そして"仕事"への愛情に満ちたシュタイデルの世界へようこそ。

世界を旅する男 ニューヨーク、ロサンゼルス、パリ、カタール・・・。60歳を過ぎてもなおシュタイデルは精力的にアーティストたちのアトリエへ自ら足を運ぶ。「旅は好きじゃないが、会って打合せをするのが一番。2、3ヶ月かかる仕事が4日間で終わる」と写真家ロバート・アダムスのキッチンで打合せの合間に語る。そして保険総額が78万ドルにのぼるヴィンテージプリントを抱えると、ジェフ・ウォールが待つバンクーバーへと飛び立つ。中東カタールの砂漠の豪華トレーラーで石や土の色を活かした自然な装丁を提案し、パリではショー直前のカール・ラガーフェルドと次の印刷について話し合う・・・。シュタイデルの旅はクリエイティブな発見と驚き、そして普遍的な人とのつながりの大切さを教えてくれる。さぁ旅に出よう。